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  • 執筆者の写真ジュエリー法務相談室

GIA GemFest Tokyo『東アフリカ産の宝石とその地質学的背景』まとめノート(後編)

※前編同様,素人の拙い手書きメモと記憶を頼りに書いていますので,間違いが(おそらく多く)あることをご了承ください。

※また引用画像は復習のためグーグル検索したもので当日示されたものとは異なります。引用元は画像下のURLに示しました。



2 東アフリカの宝石


2-1 クラトン


2-1-1 サンダワナ産エメラルド

・ジンバブエ中央部

・ジンバブエクラトン(3500~2600Ma)の緑色岩とペグマタイトの接触部に位置する

・古い地層だからクロムが蓄積して含有量が多い→鮮やかな緑色になる


画像出典 http://www.suwagem.com/jp/dictionary/quality/book1-8/2.html



2-1-2 ノベロ産アレキサンドライト

・ジンバブエ南部

・クロムで発色


2-2 モザンビーク帯の宝石

○ロンギド産ルビー(550Ma)

・”ルビー・イン・ゾイサイト”20世紀初頭の東アフリカ地域初の宝石

・近年,同地から高品質のルビーが産出している。


○ウンバ・バレー産サファイア

・1960年代に発見・採掘された


○トゥンドゥル産サファイア(630Ma)

・20世紀末に採掘


○ウインザ産サファイア・ルビー(610Ma)

・2000年代に発見・採掘


高品質のものが産出→短い周期でラッシュと衰退を繰り返す



2-2-1 タンザニア

○ウサンバラ産クロム・トルマリン(ドラバイト)(640Ma)


○マニャラ産エメラルド


○マヘンゲ産スピネル(630Ma)



2-2-2 ケニア

○マンガリ産ルビー(540Ma)


○ウエスト・ポコット産ルビー

・産地の詳細不明。おそらくモザンビーク帯の変成岩に産する


○ガルド・トゥラ産サファイア(580Ma)

・変成岩に貫入した深成岩に産出。深成岩ながらマントル由来


○モンテプエス産ルビー(615Ma)

・2009年から本格的に流通。地域内で多くの鉱山。



2-2-3 モザンビーク



画像出典 http://www.101jem.com/itemtop/Paraiba101Mozambique.htm


○マブユ産トルマリン(エルバイト)(600~410Ma)

・銅を含み,鮮やかな青~緑のものはパライバトルマリンとして人気

・ほとんどは加熱処理されている


○マラカ産トルマリ(リディコータイト)(600=~410Ma)

・銅を含むパライバトルマリンとして2010年頃から市場へ。

・蛍光が特徴

・GIAに持ち込まれるうち1割くらい



2-2-4 ザンビア

○カフブ産エメラルド(530Ma)

・20世紀前半に発見,1970年代以降に市場へ。

・コロンビアに次ぐ規模

・56555ctのが出た!



画像出典 https://news.nicovideo.jp/watch/nw4116601



2-2-5 エチオピア

○シャキソ産エメラルド(540Ma)

・2015年より調査が開始され,2016年から本格的に採掘スタート




2-3 大地溝帯

・火山をつくる玄武岩の噴出にともなうルビーおよびサファイア


2-3-1 玄武岩質コランダム

○ケニア中央部バリンゴ湖畔


○ケニア北部ロドワル(トゥルカソ湖畔)(23Ma)


○エチオピア北部ティグレ州チラ産サファイア

・2017年より市場に


2-3-2 タンザナイト



画像出典 https://recarat.stores.jp/items/5bed283a50bbc32dfa00034b


・青~青紫のゾイサイト

・バナジウムによって着色

・モザンビーク帯の変成岩(600Ma)

・タンザナイトは,低温(400~600℃)で加熱される→看破不可能!

・未処理でも青~青紫のものが産出する


2-3-3 ツアボライト


画像出典 https://recarat.stores.jp/items/5c224178c590bb570d8bebcf


・緑色のグロッシュラー・ガーネット

・1967年にタンザニアで発見

・タンザニアの政変により鉱山開発できず,1971年に隣接するケニアで採掘



2-3-4 タンザナイト


画像出典 https://recarat.stores.jp/items/5c63ed92b504f54e4e186a88


・ツァボライトとタンザナイトの産地は近く,一部共通している

・モザンビーク変成帯(約600Ma)に位置している



2-3-5 ゴールドシーン・サファイア



画像出典 https://recarat.stores.jp/items/5c1b93c414f32e5f89bb8e7a


・ヘマタイトの含有物による金色の光沢

・黄色または青色

・2015年頃より流通

・ガルド・トゥラのサファイアといろんな点で共通している→ガルバ・トゥラの位置する流域の下流に堆積している可能性!???

・大地溝帯にともなう隆起→風化・浸食・運搬作用の加速




[まとめ]


○東アフリカ地域には,とても古いクラトン,ゴンドワナ超大陸が形成された600~500Maの汎アフリカ造山帯(モザンビーク変成帯)そして現在活動中の大地溝帯が分布している


○特にモザンビーク変成帯からは様々な宝石が産出する


○タンザナイトなどユニークな地質条件を反映した宝石がある


○大地溝帯は,地熱だけでなく,地形の隆起による浸食,運搬左様でも当地の宝石に影響を与えているかもしれない。

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