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  • 執筆者の写真ジュエリー法務相談室

アコヤ貝稚貝大量死の報道について

今年に入り,三重県や愛媛県でアコヤ貝の稚貝が大量死しているという報道がありました。


NHKニュース

2019年9月4日 15時02分


原因は現時点で不明とのことで,真珠振興会JA(ジュニアアドバイザー)の一人として,心を痛めています。


水産技術者の現場の懸命な原因分析や,養殖現場でも人工採苗を試みるなど新しい稚貝の確保に努力されているとうかがっています。


法務的立場から宝飾販売現場の方にこれだけは伝えたいということとしては,


来年は品薄になって確実に値上がりするから買うならいまのうちですよ


などと目先の売上げのために安易な勧誘をすることだけはしないよう気をつけて戴きたいということです。

(消費者契約法4条1項2号 断定的判断の提供 末尾条文参照)


実際どのくらい減産になるのか,それが価格相場にどのくらい影響するかは現時点では不明ですし,消費者が自らそれを考えて増税前の駆け込み需要と合わせて需要が起きる場合もあるかもしれませんが,

販売側がそれを売り文句にするのはふさわしくないと思います。


真珠産業は明治時代の赤潮も,そして90年代以降に発生した新種の「ヘテロカプサ」被害に対しても,原因の究明と対策によって復活してきた歴史があります。


このような状況だからこそ,宝飾産業に携わる者全員が,品格を持ち,今できることを真摯に取り組むべきときだと思います。



消費者契約法

(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)

第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。 一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認 二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認

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