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  • 執筆者の写真ジュエリー法務相談室

真珠検定ジュニアアドバイザー(JA)合格しました!

真珠検定とは,一般社団法人日本真珠振興会が主催する真珠に関する検定試験です。

JA,SA,SPと3段階あります。


JA(ジュニアアドバイザー)の内容は,


・真珠の歴史(天然真珠・養殖真珠) ・真珠の養殖プロセスと製品化プロセス ・真珠の種類(母貝と真珠) ・真珠の美しさ(6要素) ・メンテナンス

などについて,Eラーニングで受講でき,最後にテスト(50問)を満点とれれば合格です(ただし何回でもチャレンジできます)。


ご興味ある方は真珠検定ウェブサイトをご覧ください。


ジュエリーコーディネーター保有者のキャンペーンがあったので,受講してみました。


(なんとか3回目で満点とれました)


コンキオリンとかアラゴナイトとかの話から,御木本,見瀬,西川などの歴史の話など整理できてとても勉強になりました。


1つだけ,このブログでも度々書いている「御木本パリ裁判」についてはコメントすべきだと思いました。


以下引用です。

(出典;真珠検定ジュニアアドバイザー講座テキスト21頁より)



この裁判の原告は御木本パリ支店長ポール氏,

被告は ダイヤモンド・宝石商卸業者組合(代表者ユーグ・シトロエン)と個人としてのシトロエンですから, 「ヨーロッパの業者の訴えによって」は事実として誤りです。



御木本パリ裁判(1924年)の判決文




MIKIMOTOのブランドイメージへの配慮などいろいろな事情があるだろうことを承知で,


やはり日本の宝飾史,真珠の歴史の中で重要な事件の1つだと思いますし,文献などでもあいまい(または誤り)が多いので,事実としてきちんと記載していくべき点だと思っています。


なお,真珠検定の目的は,「長年作ることに専念し,真珠の価値や魅力を市場に伝えてこなかった結果,「消費者も販売員も混乱している」ことへの危機感から,【真珠の正しい知識の啓蒙と普及の必要性】から始まった,とあります。(上記JAテキスト8頁)



以下は完全に私見です。


当時の御木本は国内の特許訴訟でも次々と訴えて競合を排除していき,海外進出時にもヨーロッパの組合などからの誹謗中傷記事に対しても毅然と訴訟提起する方針をとった,

という事実からは,御木本幸吉の「戦う経営者」像が見えてきます。

(最近の立体商標や模倣品訴訟を積極的に行うTASAKIの法務戦略と類似性があるかもしれません※あくまで個人の見解です)


これは現在のMIKIMOTOのブランドイメージとは意外性があるのかもしれませんが,

ここがむしろ面白く,宝飾文化史として興味深いと思っています。





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